2018年モデルで新たに販売されたライトウェイのシェファードのスペック、乗り心地、使い勝手をチェック
今まであったシェファードシティーはそのまま継続販売で、新たにシェファードが追加されました。
価格
税抜き¥55,800
後ほど説明するブレーキ、BB、ハブもシマノ。
ポリッシュパーツなどを考えるとかなりお買い得な価格設定です。
カラー展開
定番のブラック、ホワイトに加えて、グレー、レッド、ネイビー、オリーブの6色展開。
仕上げはどれもマットで、上質感があります。
ネイビーやオリーブなどはオシャレで普段着にも合わせやすそうです。欧米系の自転車ブランドではあまり見られない色が特徴です。
サイズ
サイズの設定方法がユニークで、
- 460サイズが24インチホイール
- 510サイズが26インチホイール
- 570サイズが700Cホイール
となっています。
普通のクロスバイクは全サイズ700Cが一般的で、身長150cmの人も、180cmの人も同じホイールサイズで設計されています。
身長175cmの人には700Cが丁度よいですが、実際は低身長の人にはかなり大きなホイールサイズです。
トーキョーバイクやターンで650Cホイールが採用されているのも同じような理由です。
シェファードではさらに踏み込んで、24インチホイールモデルも組み込まれています。
身長155cmの女性が700Cのクロスバイクを買いましたが、身長に対してホイールがかなり大きく乗りづらいそうです。
700Cサイズはママチャリで言うと27インチに近いので、そんな大きいホイールの自転車は175cm以上ある人しか買いません。
ママチャリだと26インチが主流で、最近では電動自転車を中心に大人用の24インチのモデルもかなり増えてきました。
ありそうで無かった大人用の24インチのクロスバイクは小さな人には理想的な設計だと思います。
700Cと24インチの違いを考えてみます
700Cのメリット
- 段差を乗り越える走破性が高い
- スピードが落ちにくい
24インチのメリット
- 加速が軽い
- 重量が軽い
- 身長が高い人と同じライディングポジションが取れない
- 自転車を降りた時に駐輪や移動がしづらい
それぞれのメリットの反対がデメリットになります。
700Cのデメリット
- 加速が重い
- 重量が重い
- 身長が高い人と同じライディングポジションが取れる
- 手足が短くても自転車を降りた時に駐輪や移動がしやすい
24インチのデメリット
- 段差を乗り越える走破性が低い
- スピードが落ちやすい
700Cホイールは走破性が高いことがメリットですが、トータルの走りやすさだと身長160cm以下の人には24インチの方がおすすめです。
シェファード2018年モデルのスペックシートをチェック
フレーム
6061アルミ素材でクロスバイクフレームとしては一般的。
ハイドロフォーミングは使われていないので、丸パイプをつなぎ合わせたシンプルな形状です。
ダウンチューブにはボトルケージが取り付けられる穴がついているのが珍しいです。
特に小さいフレームサイズはボトルが1本しか取り付けられないクロスバイクが多いので、地味に嬉しい機能です。
フレームとフロントホイールをつなぐフォーク
今までのシェファードシティーはクロモリの重いフォークでしたが、新しいシェファードはアルミ素材になって軽量化されました。
さらにステアリングのベアリングはインテグラルヘッドセットという謎の豪華仕様です。
そのおかげでフロント周りはかなりすっきりした印象。
5万円台のクロスバイクだとジャイアントのエスケープやジオスのミストラルがありますが、どれも鉄フォーク+ノーマルアヘッドベアリングです。
キャリアを取り付けられる台座がついているので、拡張性も高いです。
前ギアのギアクランク
LUSCOブランドのシングルクランクを装備。
クランクアーム、リングガード両方ともポリッシュ加工をしているので、かなり高級感があります。
ほとんどのシングルクランクは下の写真のようにリングの仕上げが安っぽいのですが、シェファードは全体がピカピカです。
フロントシングルクランクのデメリット
→変速の幅が狭い
ジャイアントのエスケープのような28/38/48Tというトリプルクランクはかなり軽いギアが選択できます。
シェファードの歯数は700Cホイールが46T、26と24は48Tになっているので、ハイスピード側のギアはフロントトリプルのクロスバイクとそれほど変わりません。軽いほうのギアの選択肢が少ないです。
実際は街乗りだと3枚ギアがあってもフロントは48T固定で、小さいギアは使いません。
リアの変速だけで、坂も平地も走れてしまいます。
フロントの変速が必要なのは峠のような急坂を登る時です。
普段の生活の中にママチャリではどうやっても登れないような坂がある場合はフロントトリプルのクロスバイクを買った方が良いです。
フロントシングルギアのメリット
ギアと変速機、変速レバーが無いので、重量が軽くなります。
ハンドル周りも余計なレバーがなくなりすっきり見えます。
最大のメリットはチェーンが外れることが無いことです。
フロントに変速があると必ず発生するのがチェーン落ちです。
ギアからチェーンが外れてしまうと、手を真っ黒にして戻さないといけないので、かなり面倒です。
シングルギアの場合はチェーンガードに挟まれているので、まずチェーンは落ちません。
安心して走ることができます。
ペダルの回転を支えるBB
外観からはわからない所ですがSHIMANO UN26 が使用されています。
BBは最も負担がかかるパーツなので、きしみやガタつきがでやすいパーツです。
ここをシマノパーツで手を抜かいないのは良心的。
TOKYOBIKEはノーブランドで表記なし(中を開けるとPOWERWHEEL)、ジャイアントのエスケープは台湾系のVP BC73 、7万円クラスのトレックのFX 3でもノーブランド品を使っています。
コストカットしやすい部分なので、ほとんどのメジャーブランドが安いパーツを使っています。
ブレーキセット
SHIMANO BR-T4000 Vブレーキを装備。
こちらもシマノブランドのミドルクラスで、カチッとした安定感のある効きが特徴です。
他のブランドでは6万円クラスにならないとシマノブレーキはスペックされないので、コスパの面でも優秀です。
海外ブランドのミドルクラスでもテクトロの安いモデルがスペックされているのが一般的で、以下のモデルよりも上の価格帯にならないとシマノのBR-T4000は装備されません。
79000円のトレックFX3 Tektro alloy linear-pull
57000円のエスケープRX4 TEKTRO 857AL
後輪側のギア
変速の幅を決めるカセットスプロケットはワイドギア SHIMANO CS-HG41/31 カセット (11-34T)を装備。
一番小さいギアが歯数11個、大きいギアが歯数34個という意味です。
同じフロントシングルのTOKYOバイクやターンのクラッチは11-32Tなので、ワイド側のギアが大きく、軽いギアで走れます。
回転を支えるハブとホイール
ここもBBと同じくコストダウンされやすい所ですが、前後ともシマノのTX500ハブが採用されています。
ターンのクラッチやジャイアントのエスケープなどはそもそもハブのスペックを非公表、ビアンキのカメレオンテなどは公表していますがFOMULAのハブでコストダウンされています。
ハブも常時回転していてトラブルが発生しやすい所なので、高品質なシマノ製のハブをスペックしたモデルを選びたい所です。
特にリア側はギアのフリー機構が内蔵されているので、より不具合になる可能性が高く、修理交換の際も1万円ほどの費用が必要になってきます。
大体保証期間が過ぎた2年目ぐらいから発生しやすい不具合なので、ハブのスペックは慎重に選びましょう。
タイヤ
クロスバイクとしては太めの38C幅タイヤが装備されています。
タイヤが太いと乗り心地が良く、安定感があるので乗りやすいことがメリットです。
特に初心者は太いタイヤで初めて、慣れてきたら細いタイヤに変える方が安全面でもおすすめ。
28Cと比べると38Cは乗りやすさが全然違います。
デメリットは加速が重いことですが、いったんスピードに乗ってしまえば気になりません。
付属パーツ
スマホ用の取り付けパーツが標準装備されているのはうれしいですね。
とても簡単に使えるので評判も良いようです。
あとはセンターキックスタンドも付属します。
フルスペック表
フレーム Niauデザイン 6061アルミ合金
フォーク Niauデザイン 6061アルミ合金
ヘッドセット VP 1-1/8″ 41mmインテグラルアヘッド
リム ALEX DM-18 ダブルウォール CNCサイド アルミ合金 700C(622) / 26″(559) / 24″(507)
タイヤ アーバンクルージングスリック 700x38C / 26″x1.5″ / 24″x1.5″
フロントハブ SHIMANO HB-TX500 QR
リアハブ SHIMANO FH-TX500 QR
ギア数 1×8=8段変速
クランク LASCO ARTリングガード アルミ合金
歯数:700C(46T) / 26″24″ (48T)
クランク長:700C(170mm) / 26(165mm) / 24(160mm)
スプロケット ワイドギア SHIMANO CS-HG41/31 カセット (11-34T)
BB SHIMANO UN26 (68-117.5mm)
シフター SHIMANO SL-M310
フロントD –
リアD SHIMANO ALTUS RD-M310
ブレーキ SHIMANO BR-T4000 Vブレーキ
ハンドル KALLOY アルミ合金 560mm幅、15度
ステム KALLOY アルミ合金 OSアヘッド 17度
ステム長 700C(110mm) / 26(90mm) / 24(90mm)
グリップ RITEWAY KAITEKI エルゴノミック
サドル RITEWAY 3層構造 マシュマロ サドル
シートポスト KALLOY アルミ合金 27.2mm径、300mm長
ペダル VP コンパクト アルミ合金ペダル
付属品 ベル
センターキックスタンド
アルミバルブキャップ
スマートフォンマウント
サイズの選び方
フレームサイズ一番最初に書いたようには3サイズで460(24インチ)、510(26インチ)、570(700C)とフレームサイズ毎にホイールサイズが異なります。
同じフレームサイズ展開のジャイアントのエスケープと比べると身長のレンジが低身長向けに振られていて、サイズのターゲットも狭いです。
エスケープは1サイズあたり身長幅15cm、シェファードは1サイズあたり10cm。
1サイズ15cmは他のクロスバイクを含めて一般的な数値ですが、ライトウェイのシェファードは10cmでかなり狭めです。
より適応身長を狭くすることで本当の乗りやすさを追求しているようです。
シェファードはトップチューブが地面と水平なホリゾンタルフレームなので、フレームサイズの表記が一般的なスローピングフレームと異なるので注意が必要です。
フレームサイズの数値だけ見るとものすごい大きなフレームに見えますが、実際はそうではありません。
シェファードのフレームサイズと適応身長
- 460(24インチ)=150〜160cm
- 510(26インチ)=160〜170cm
- 570(700C)=170〜180cm
エスケープR3のフレームサイズと適応身長
- XS430=155〜170cm
- S465=160〜175cm
- M500=170〜185cm
一番大きなサイズだとシェファードが570mm、エスケープが500mmでかなり違います。
このサイズはサドルが挿入されているシートチューブという長さの表記なので、ホリゾンタルフレームのシェファードは長くなっているのです。
下の写真を見るとシェファードとエスケープのフレーム形状差が分かります。
エスケープの方がサドルに向けてぐいっと下がっていることが分かります。
好みの問題ですが、伝統的なホリゾンタルフレームの方がカッコいいですね。
例えばサドルからハンドルまでの距離を決めるHTTLという数値は430サイズのエスケープR3が525mmに対して、シェファード460サイズは520mmなので、実際はシェファードの方がハンドルが近くて、小さい人に乗りやすいフレームだと言えます。
また下で選ぶ
身長はあくまで目安です。
同じ身長でも手足の長さは個人差が非常に大きく、自転車の乗りやすさは手足の長さで決まります。
そのため、また下を基準にサイズを選ぶのが正解です。
日本人の体格を研究してジオメトリーを設計しているからか、シェファードは最小股下長も掲載されていて親切です。
まとめ
日本人向け、街乗り専用に作られたライトウェイのシェファードは通勤、通学、買い物にピッタリなクロスバイクです。
特に身長150cm~160cmの人には今までに無かった24インチホイールで本格的な大人用クロスバイクが選べるので、無理やり700c(27インチ)のクロスバイクよりもこちらのほうがおすすめです。